グリーンバナナレシピ特集

レジスタントスターチの宝庫「グリーンバナナ」(青バナナ)に秘められた栄養素と効果とは? 人気レシピもご紹介!

 

【グリーンバナナ(青バナナ)とは?】

バナナといえば黄色い皮の果物のというイメージがありますが、植物防疫法により黄色く熟した状態では輸入できないことをご存じでしょうか。そのため、通常は未熟な緑色の皮の状態で収穫、輸送されています。そして輸入後、適切な条件下で追熟させることで黄色くなったバナナがお店に並べられています。しかし、サイズが基準を満たしていない、あるいは輸送時に傷がついたバナナなどは商品化できず、大量のバナナが廃棄されているのが現状でした。

Doleはこの問題に対し、食品ロスを削減するため、グリーンバナナ(青バナナ)を販売する取り組みを始めました。

Doleでは、バナナの成熟度を、皮の色合いによって1から7の数字で分類しており、今回販売を開始したグリーンバナナ(青バナナ)は1と2に該当します。

(1=オールグリーン、2=ライトグリーン、3=ハーフグリーン、4=ハーフイエロー、5=グリーンチップ、6=フルイエロー、7=スター)

グリーンバナナ(青バナナ)は生で食べられないの? 食感や味は?

生のままでは皮も身も固いため、食べられません。しかし加熱することで、おいしく食べることができます。

加熱したグリーンバナナ(青バナナ)は、れんこんのような歯ごたえと、じゃがいものようなほのかな甘みが特徴です。クセがなく、様々な料理や味付けにも合うので、野菜の置き換え食材として活用できます。

グリーンバナナ(青バナナ)の保存方法は? 家で追熟はできないの?

残念ながら、グリーンバナナ(青バナナ)を買って家に置いておいても、甘くておいしいバナナにはなりません。お店に並んでいる黄色いバナナは、甘みを最大限に引き出すためにムロと呼ばれる専用の部屋で、湿度と温度をコントロールして追熟させています。家ではムロの環境を再現することが難しいため、うまく追熟できないのです。そのため青いうちに消費することをおすすめします。

もし一度に食べきれない場合は、後に説明する電子レンジを使った方法で皮をむき、お好みの大きさにカットして冷凍庫で保存することで、最後までおいしく食べることができますので、ぜひ試してみてください。

では、このグリーンバナナ(青バナナ)を食べるこで、体にどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

【グリーンバナナ(青バナナ)はレジスタントスターチの優れた供給源】

グリーンバナナ(青バナナ)は「レジスタントスターチ」という成分の含有量が高く、栄養価も高いことから密かに注目を集めています。

レジスタントスターチとは?

レジスタントスターチとは消化吸収されないデンプンのことです。デンプンが多く含まれる身近な食べ物としては、米や小麦などの穀類、いも類などが挙げられます。

これまで、デンプンは小腸で完全に消化されると考えられてきました。しかし近年、その一部は消化されずに大腸まで運ばれ、体外へ排出されることが明らかになったのです。これが「レジスタントスターチ」です。

小腸で消化吸収されずに大腸まで運ばれるものといえば、食物繊維も挙げられます。しかし食物繊維は、主に植物や海藻、動物の細胞成分に多く含まれるもので、デンプン由来ではありません。

このようにレジスタントスターチは、体内で消化吸収されないデンプンでありながら、食物繊維と同じ、腸内環境を整える効果を兼ね備えているのです。

 

【グリーンバナナ(青バナナ)の食べ方】

黄色いバナナしか食べる習慣のない日本では想像しづらいかもしれませんが、東南アジアやオセアニアなど、グリーンバナナ(青バナナ)を野菜として日常的に食べている国はたくさんあります。

グリーンバナナ(青バナナ)の皮をむく方法と注意点

グリーンバナナ(青バナナ)の皮は固く、黄色いバナナのように手でむくことはできません。日常的に食べている国では、いも類のように皮をナイフでむくか、両端をカットして皮が柔らかくなるまで茹でてからむくのが一般的です。加熱後はスライスやマッシュ、あるいは小さく刻んだりして、スパイスなどで味付けします。

ただしグリーンバナナ(青バナナ)を加熱する際に、気をつけないといけないことがあります。それは、バナナを鍋で茹でると鍋が黒く変色してしまう、ということです。これはグリーンバナナ(青バナナ)に含まれるラテックスの中のタンニン(※1)という成分に鍋の鉄イオンが反応し、黒い色素が形成されてしまうからです。

(※1)タンニン:ポリフェノールの一種。褐色色素や抗酸化作用をもつ

この問題を簡単に解決できる、とっておきの方法がこちら!

じゃがいもや栗のような新食感素材。レンジで簡単時短調理で美味しい!

 

【グリーンバナナ(青バナナ)を活用したアレンジレシピ】

グリーンバナナ(青バナナ)は黄色いバナナと同程度の価格で販売され、一年中入手できることから継続的に食べられる食材です。以下のアレンジレシピを参考に、ぜひ作ってみてくださいね。

 

【まとめ】

日本ではまだ馴染みのないグリーンバナナ(青バナナ)ですが、日々の食事に取り入れることで腸内環境を整え、健康に役立つ食材であることがわかりました。さらには食べることによって食品ロスが削減でき、持続可能な社会の実現に貢献できる食材です。みなさんも新食感素材のグリーンバナナ(青バナナ)を活用して、新たな料理の可能性を見つけてみませんか?

 

<参考>

[1] Liyong Chen MD, et al. Sources and intake of resistant starch in the Chinese diet. Asia Pac J Clin Nutr. 2010, 19 (2), 274-282.

[2] Guylène Aurore. Bananas, raw materials for making processed food products. Trends in Food Science & Technology. 2009 Feb, 20(2), 78-91.

松田美千子

監修:松田 美千子(まつだ みちこ)

■管理栄養士 / 食品表示診断士(中級)/ Webライター / グルメ取材ライター

■プロフィール
トライアスロン全国1位(中学2・3年の2年連続)の経歴からスポーツ栄養学に関心をもつ。
現在は大学の研究所に勤める傍ら、アカデミックな観点でライターとしても活躍。
美容やダイエット、トレーニングに関する執筆を得意とする。 「読者の悩み」「疑問の解決」「QOLの向上」につながる情報を発信できることがやりがい。